雑記、日記

川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)作者: 川上未映子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (42件) を見る 振り返れば一歩ごとのわたしが列になってつづいてる、並んでる、過ぎ…

舞城王太郎『煙か土か食い物』

煙か土か食い物 (講談社文庫)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/12/14メディア: 文庫購入: 23人 クリック: 194回この商品を含むブログ (338件) を見る でもそんな今でも奈津川家なんて本当は滅びてしまえばいいと思う。俺たち家族なんて…

Wikileaksはなぜ世界中の国家を敵に回そうとしているのか?

Wikileaksはなぜ世界中の国家を敵に回そうとしているのか? いくつかとても大事なことが書かれてます。 Wikileaks自体の目的は秘密の暴露ではなく、「組織が金をかけてまで情報を隠そうとしているというのは、その情報を世に出せば社会的利益がある」という…

火事への対処(承前)

さっき書いた文章をmixiにも書いたら、僕の言っていることはある種理想論だし、じゃあ僕はどうすればよいと言っているのかわからんじゃないかというコメントをもらいました。 まず、前の文章で僕はアサンジの思想は「奪う」で、そうじゃなくて「与える」思想…

鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた』

ウィトゲンシュタインはこう考えた-哲学的思考の全軌跡1912~1951 (講談社現代新書)作者: 鬼界彰夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/07/19メディア: 新書購入: 7人 クリック: 82回この商品を含むブログ (97件) を見る 我々が言語ゲームに参加し、言葉によ…

「変身」

変身 [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2006/05/26メディア: DVD クリック: 59回この商品を含むブログ (85件) を見る 最後まで見れなかったよ〜(TT) 途中から蒼井優が玉木宏に「うるせえ!」とか「黙れ!」とか言われて…

WikiLeaksに目を通してきた

ウィキリークスのサイトは少し繋がりにくいですが見れます。 金正日は2015年以内には死ぬだろうとか、中東でテロ容疑で逮捕したスペイン人が母国で出所してアメリカ政府を訴訟しようとしているから気をつけろだとか、そういうことが書いてあります。 ものす…

言葉についてのメモ

「まず自分の頭の中に何かしらの『コンセプト』があって、それが言葉という媒体によって誰かに伝わっていく」という考え方をしている人が多いかと思います。 そういう風に考える方がやりやすいときも沢山ありますが、それだけではない、と僕は思います。順序…

モブ・ノリオ『介護入門』

介護入門作者: モブ・ノリオ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/08/26メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (121件) を見る 芥川賞ですが、この小説は本当に小説として書かれる必要はあったのだろうか。マリファナ、母親の介護…

嶽本野ばら『ミシン』

ミシン (小学館文庫 た 1-4)作者: 嶽本野ばら出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/12/04メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 18回この商品を含むブログ (15件) を見る 「あえて」の懐古的近代風な文体なのだけれど、ゴシックロリータ的なモチーフがたくさん…

映画「ノルウェイの森」コトバの森キャンペーン

松ケン&凛子のラブシーンがポスターに 「ノルウェイの森」キャンペーン 12月11日に公開される映画「ノルウェイの森」のキャンペーンで、「ノルウェイの森」のキャッチコピーを公募した「コトバの森キャンペーン」。受賞コピーが発表されました。審査員は電…

保坂和志『プレーンソング』

プレーンソング (中公文庫)作者: 保坂和志出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2000/05/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 79回この商品を含むブログ (182件) を見る ほんとうに何にも起こらない小説で、ずっと若者が競馬したり猫と遊んだりする内容な…

日常の中で、小さなことに気を配る

最近は、伊豆へ旅行に行ったり、トウキョウデザイナーズウィークに行ったり、荒川でサンマを焼いたり、高校のバスケ部で久しぶりに集まって飲みに行ったり、卒論を書いたりしているのだけれど、他の大学の友達なんかは大きなイベントだったり、会社でばりば…

内田樹「リーダビリティについて」

内田樹「リーダビリティについて」 リーダブルな文章というのは「わかりやすい文章」ということとは違う。 「ロジカルな文章」というのとも違う。 ましてや「簡単な言葉が使ってある文章」のことではない。 どれほど難しい術語が用いられていても、どれほど…

柄谷行人『探究Ⅰ』

探究(1) (講談社学術文庫)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 1992/03/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 61回この商品を含むブログ (66件) を見る ある意味では、デカルト主義だけではなく、もっと一般的に哲学そのものが「内省」(モノロー…

「エヴァンゲリオン新劇場版:破」

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.【通常版】 [Blu-ray]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2010/05/26メディア: Blu-ray購入: 185人 クリック: 3,668回この商品を含むブログ (500件) を見る やっと観た。なんか凄…

村上春樹『1973年のピンボール』

1973年のピンボール (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/11/16メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 68回この商品を含むブログ (287件) を見る ひとつの季節がドアを開けて去り、もう一つの季節がもうひとつのドアからやってくる…

「流れ星」と「何かを守る取引」

おはようございます。今回は久しぶりに、わりとしっかり考えをまとめられたので個人的には満足してます。よかったらどうぞ。 月曜日にものっすごく久しぶりに「流れ星」っていう月9の初回観てたんだけど、普通に面白かった。上戸彩、竹ノ内豊、杉本哲太、稲…

「写真機はいらないわ、五感を持ってお出で」

ちょっとづつ前のブログの記事を移植していきます。 相変わらずフワフワして落着かない気分で毎日を過ごしていますが、自分の状態に常にちょっとだけ疑いや迷いを持つということは、それほど悪いことでもないと思いはじめています。 自分の状態を疑ったり迷…

辻仁成『ピアニシモ』

ピアニシモ (集英社文庫)作者: 辻仁成出版社/メーカー: 集英社発売日: 1992/05/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (28件) を見る なんというか、小説というよりも当時の「崩壊した家庭」に対する社会の集合的イメージについての…

いとうせいこう『ノーライフキング』

ノーライフキング (河出文庫)作者: いとうせいこう出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/08/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (49件) を見る 「子どもが大人になるとき、彼らは一度『死ぬ』」。それがこの小説の描いたこ…

福武總一郎という人

東大基金寄付者インタビュー 20世紀のお金儲けの最先端研究は、ビジネス・スクールのお家芸でした。でも、私は東京大学の皆さんには、今よりも素晴らしい世界をつくるための研究をしてほしいのです。これからは、あるものを生かしながら、ないものをつくる時…

島田雅彦『優しいサヨクのための嬉遊曲』

優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/07/30メディア: 文庫 クリック: 30回この商品を含むブログ (50件) を見る 運動するんだよ。サヨク運動を性懲りもなくまたやるんだよ。といっても、共産党とも新左…

町田康『くっすん大黒』

くっすん大黒 (文春文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/05/10メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 51回この商品を含むブログ (170件) を見る へんなタイトル!パンクミュージシャン(?)が書いた小説ということで、並みの小説形式では…

「リリィ・シュシュのすべて」

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2002/06/28メディア: DVD購入: 3人 クリック: 227回この商品を含むブログ (380件) を見る 観たのはだいぶ前だが暇なので書く。 蒼井優のデビュー作でほとんど蒼井…

「アバター」

アバター [初回生産限定] [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2010/04/23メディア: DVD購入: 11人 クリック: 166回この商品を含むブログ (207件) を見る あんまり映画詳しくないけど、ハリウッド映画は西…

川上弘美『神様』

神様 (中公文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/10/01メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 103回この商品を含むブログ (131件) を見る おもしろい。でも、こういう小説って、特に大事件が起こるわけではないので、読む人によっては…

池澤夏樹『夏の朝の成層圏』

夏の朝の成層圏 (中公文庫)作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1990/05/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (21件) を見る 骨太な小説だぁ。無人島に漂着した日本人と、ヴァカンスでそこにやってきた有名映画俳優…

水村美苗『続 明暗』

続 明暗 (ちくま文庫)作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (23件) を見る 『続明暗』を読むうちに、それが漱石であろうとなかろうとどうでもよくなってしまう――そこまで…

場面緘黙症

「何が日本の若者を俯かせてしまうのか?」について。もうこの種の語り口に食傷気味の人も多いのではないでしょうか。「日本の若者を俯かせている」のは人々を「若者」と十把一絡げにまとめて論じたがる自分たちなのではないかという疑念は出てこないのでし…