「流れ星」と「何かを守る取引」

 おはようございます。今回は久しぶりに、わりとしっかり考えをまとめられたので個人的には満足してます。よかったらどうぞ。


 月曜日にものっすごく久しぶりに「流れ星」っていう月9の初回観てたんだけど、普通に面白かった。上戸彩、竹ノ内豊、杉本哲太稲垣五郎っていうなんか懐かしいキャストが個人的にはツボ。

 ストーリー等々はこちら。
 (http://www.fujitv.co.jp/nagareboshi/index.html

 リンクに飛ぶのめんどくさいよっていう人のためにざっくりと書いておくと、兄貴の稲垣に借金負わせられた上戸彩が、竹ノ内豊と「契約結婚」して自分の肝臓を竹ノ内豊の妹で病気の北乃きいに提供する代わりに、借金肩代わりしてもらう、っていう「家族と結婚」のドラマで、これだけ聞くとなんじゃそりゃって思うかもしれないんだけど、それぞれの家族の会話とかが割とドライで変に演出かかってなくて、結構感情移入できる。

 あと、全体をまとめてるクラゲのイメージがほんと綺麗で秀逸。水族館行きたい。

 これって、ようするに「『ギブアンドテイク』の関係から愛は生まれるのか?」っていう何気にラディカルなテーマだと思うし、これはドラマだから結果的に「生まれる」っていう答えがくるのもわかってるんだけど、だからってつまらないことはなくって、結構感情移入できるのは、その「ギブアンドテイク」が竹ノ内豊にとっては妹(北乃きい)の病気を救うため、上戸彩にとっては「理不尽に背負わされた借金」を返して兄(稲垣)によって破壊された生活をとり戻すための取り引きであるところなんだろうな、って思った。

 これが、お互いの私利私欲のためだったらリアリティがないんだろう。竹ノ内豊が「300万やるから、俺の家でメイドとして働け!」みたいな話だったら、あるいは上戸彩がもらった300万で遊び呆けるような話だったら共感できるだろうか?(いやできない。反語的言い回し)もちろん、別の意味で面白い話にはなるかもしれないけど。
 どちらも、自分の快楽を得るためというよりは、「自分にとって大切な何か」を守るために取引をする。
 あともう一つ重要なのは、「自分の肝臓を取引する」っていうかなり生理的な感覚を伴う話であること。取引には文字通り「痛み」を伴う。 上戸彩は性的な意味で「体を売る」人から文字通り「身体を売る」人になる。
 
 
 こいつなんでこんなにこのドラマ押してんの?と思うかもしれませんが、僕はこのドラマが「『後退局面』でのギブアンドテイクでいかに幸せになるか」という問いに一つのヒントを与えてくれるかもしれないな、と期待してるのです。

 ご存知の通り、日本は今「非常に厳しい経済状況」にあります。新興国が発展して経済力は相対的に低下し、人々の消費は「+αの快楽のため」というよりは、「生活のため」になっていく。高齢化が進み、医療、福祉といった「自分の生活を守る」消費が増える。そんな「何かを守る取引」のなかで、どういう風に幸せにく暮らしていくかのヒントを、もしかしたら与えてくれるかもしれない。(もちろん契約結婚がふえればいい、という話ではありません。「結婚と恋愛」以外にもいろんな幸せがあるからね)

 もしかしたら、「何かを守る取引」のなかでしか生まれないものがあるかもしれない。僕は物事をポジティブにとれそうならなるべくそう捉えようというマインドなので、こんな大風呂敷を広げてみたのだが、とりあえず観てない人はぜひ観てみてください。「キャストが僕らの世代的にはツボ」ということは保証します。
 
 では。