福武總一郎という人

東大基金寄付者インタビュー

 20世紀のお金儲けの最先端研究は、ビジネス・スクールのお家芸でした。でも、私は東京大学の皆さんには、今よりも素晴らしい世界をつくるための研究をしてほしいのです。これからは、あるものを生かしながら、ないものをつくる時代になるはずです。そして「経済は文化のしもべである」、これが私の持論なのですが、人々が“よく生きる”ために、東京大学にかかわる一人ひとりに、今できることは何か。そこをしっかり考えてみてほしいと思っています

 (中略)

 繰り返しになりますが、これからは、あるものを生かし、ないものをつくる時代にしていかなければなりません。壊される前提で新しいものをつくっても、みんな不安になるだけ。そんな中で、いいものなんて生まれるわけがない。人類の役割が後世に価値を残すものであるとすれば、あるものを壊すという考え方は間違っているのです。それをしっかり否定しないと。では、そのうえでどうすればよいのか。100年、200年残る本当に価値のあるものを考え、つくっていけばいい。

 直島のパトロン。東大に16億円寄付。そしてEVのベンチャー設立。すごい人だよ。どこも大企業厳しいけど、それでもプラスアルファで何かをやろうとしてる。ちゃんと社会に関わる上での「切実さ」のようなものを持ってる。もちろん福武さんみたいに大きなお金を動かせはしないだろうけど、僕もそれを持ちたいです。