林君代『宇宙飛行士の育て方』

宇宙飛行士の育て方

宇宙飛行士の育て方

 日本人は、皆同じだとして安心して目立つのを嫌がる風潮がある。しかし野口飛行士は異なる考え方を提示する。「相手が自分と違うという前提でいたほうがいい。違う能力を持っているからこそ面白いし、さまざまな仕事ができる。違うもの同士がどうわかりあえて、どうやって目標を達成するかを考えることが大事です。」

 宇宙飛行士の仕事はまず第一に宇宙空間という「死の世界」でたった数人から十数人のクルーで命をかけてサバイヴすることです。そのためにチームのなかでいかに、どのような姿勢を持って振る舞うかは、「究極のチームワーク」といってよく、僕たちの様々な場面において参考になるものだなと思いました。
 この前、野口聡一さんが国際宇宙ステーションの船長になりました。野口さんの日本人ならではの技術力の高さ、謙虚さ、協調性が高く評価されてなんだか元気づけられます。とはいえ、若田飛行士が言うとおり、人間、「異文化の差よりも、個人差のほうが大きい」のかもしれませんが。