「生産再開を楽観視していない」 日産・志賀COOが抱く懸念

「生産再開を楽観視していない」 日産・志賀COOが抱く懸念

 日産は12日午前に、同社へ自動車部品を供給する部品メーカーの操業状況などの情報を集め、今後の操業再開について検討を進める。志賀COOは12日未明の段階では「部品の供給を受けているメーカーの状況報告が途切れていて、どういう状況で自動車を生産できるかが分からない」と述べ、生産再開に向け十分な情報を集めるには、なお時間がかかるとの見方を示した。

 栃木工場といわき工場で発生した小規模な火災は鎮火した。栃木工場で従業員2人が軽傷を負ったが、死者の情報はないという。

 同社は横浜市の本社に地震の対策本部を設置。横浜市の要請を受け、トイレやホールなどの一部設備を一般市民に開放した。首都圏の交通がマヒした影響で帰宅が難しい従業員は本社内にとどまっており、約1800個のおにぎりを社内で配ったという。

 自動車業界では2007年の新潟県中越沖地震により、大手ピストンリングメーカー、リケンの工場が被災。エンジンに欠かせないこの部品の供給が止まり、完成車メーカーが生産停止に追い込まれるという事態に追い込まれた。今回の地震で、自動車産業を支える部品のサプライチェーンがどのような影響を受けているのかは、これから明らかになってくるはずだ。