ユニ・チャームの「熱血男子」獲得作戦

ユニ・チャームの「熱血男子」獲得作戦

 今回、就職ランキングで人気が急上昇した企業4社を見てきた。それぞれ手法は違っても、根底で通じていることがある。

 どの企業も、本音で学生と接している。決して自分を取り繕うことなく、厳しい部分も含めてさらけ出している。だから、学生は就活前のイメージとかなり違った企業の実態に接することになる。

 そこで逃げ出す学生もいるだろう。だが、それでも残った学生と、「働くこと」について熱く議論を交わす。そんな過程を通して、学生の「仕事」に対する姿勢や、心の底にある仕事観をじっくりと見ていく。

 結果的にその企業に就職できなかったとしても、学生も「働くということ」について深く考える経験を積める。だからこそ、就職人気が上がるのだろう。

 でも、それは清水氏が言うように、お互いにとって最終ゴールではない。採用担当者は就職人気ランキングがKPIではないし、学生にとっても内定獲得が最終目的ではないはずだ。

 いかに自分が一生を賭ける価値がある仕事を見つけるか。

 それを企業が情熱を持って手助けした時、本当に必要としている、自社の未来を切り開く人材に巡り会うことが出来る。

 そのためには、人材を見る目が問われる。しかも、学生はどのような潜在能力を秘めているか、見極めるのは難しい。単なる学業の成績だけでは計れないのだ。

 まだ荒削りだが、将来、輝く原石を探す――。

 ユニ・チャームの愚直な採用活動は、世界に飛躍しようとする企業の将来を決する作業に他ならない。

 学生を採用するのではなく、学生を育てるという姿勢が結果的に良い人材を集めている、ということなのですね。なるほどです。