観光ビッグバンが日本を変える

観光ビッグバンが日本を変える

 日本の観光の強みは、著名な自然遺産や歴史的建造物など目に見えるハード(物的)な資源を持っていることではない。目に見えないソフト(文化的)な資源こそが、日本のオリジナリティであり強みであると考えることができる。

 (中略)
 
 日本経済が現在の苦境を乗り越えて新たな成長ステージに立つためには、ものづくり以外の“新たな競争力”を身につける必要がある。そのための有力なシナリオの一つが、日本独自のソフトパワーを生かせるビジネスモデルを構築することだ。

 観光産業はソフトパワーを最も生かしやすい産業の一つであり、しかもアジアの観光ビッグバンの追い風を受けている。日本の観光産業がこの好機を生かし、観光立国への道を切り開くことができたとき、日本の“新たな競争力”は明確な姿を現すことになるであろう。

 観光立国の達成は日本の産業構造が新たなステージに移行するための第一歩であり、日本が変われるかどうかを占う試金石の意味を持つのである。

 ソフト(文化)を育てるには、長期的には、教育、しかも日本人が自発的に自分たちとは何なのかを自分たちで考えるような教育だと、僕は思っています。