池上彰さん、ニッポンの「ガラパゴス」技術こそ、BOP市場を攻略するカギになるって本当ですか?

池上彰さん、ニッポンの「ガラパゴス」技術こそ、BOP市場を攻略するカギになるって本当ですか?

池上 ここで、商社マンを題材にした古い笑い話をご紹介しましょう。
 ……昔々、2人の商社マンがとある途上国に靴を売りに行きました。現地を視察したら、住民は誰も靴を履いておらず、裸足で生活をしています。

 それを見て、片方の商社マンはさじを投げました。
「ダメです。こっちの人は誰も靴なんか履いちゃいない。一足も売れないよ」
 同じ光景を見た、一方の商社マンはにやりと笑いました。
「この国は宝の山だ。なぜかって? 誰も靴を履いてないだろう。だったら国民全員が新規顧客じゃないか!」

 ものを売ることも大事なのですが、それが本当に現地の人たちのためになるのかを常に疑いながらそれをするのは大事だと思います。
 そういう意味で、現地密着型の日本の国際貢献の伝統を大切にすべきだなあと。