スペースシャトル・エンデバー最後の打ち上げ、39A発射台へ

スペースシャトル・エンデバー最後の打ち上げ、39A発射台へ

 米航空宇宙局(NASA)は3月10日、スペースシャトルエンデバーSTS-134)をシャトル組立棟(VAB)から39A発射台へと移動させた。

移動作業はアメリ東部標準時間3月10日19時55分(日本時間3月11日9時55分)に始まり、エンデバーを載せた巨大な台車「クローラー・トランスポーター)はシャトル組立棟を出発し、ゆっくりとした速度で移動し、アメリ東部標準時間3月11日3時49分(日本時間17時49分)に39A発射台に到着した。到着後、エンデバーの設置作業も行われ、打ち上げに向けていよいよ最終準備に入った。

エンデバーの打ち上げはアメリカ東部夏時間4月19日19時48分(日本時間4月20日8時48分)に予定されており、このミッションはアルファ磁気スペクトロメータ(AMS-02)とエクスプレス補給キャリア(ELC)を国際宇宙ステーションISS)に運ぶ。

アルファ磁気スペクトロメータは、ノーベル物理学者であるマサチューセッツ工科大学サミュエル・ティン教授を中心に開発された分光器で、ISSに取り付けられる最大の実験装置でもある。ISS宇宙線を測定し、暗黒物質反物質の存在を解明する手がかりや、未知の物質の発見につながると期待されている。

船長はマーク・ケリー宇宙飛行士、パイロットはグレゴリー・ジョンソン宇宙飛行士が務め、マイケル・フィンク宇宙飛行士、ロベルト・ヴィットーリ宇宙飛行士らがミッションスペシャリストとして搭乗する。

なお、エンデバーはこのミッションを最後に退役する予定で、スペースシャトル計画もエンデバーSTS-134)と6月のアトランティスSTS-135)を残すのみとなっている。