大企業が注目するツイッターサービス「アクティブサポート」とは何か

大企業が注目するツイッターサービス「アクティブサポート」とは何か

 考えてみれば、通常、顧客が空港でトラブルに遭遇したり、携帯電話に不具合が発生したら、まずぼやきながらも同行している家族や友人に相談したり、地図や説明書を読んだりして、自力で解決しようとするはずで、コールセンターへの電話というのは、そういった自力での解決が難しい場合に行う行為です。

 そういう意味ではコールセンターに電話をする際には、既にかなりのストレスがたまった状態にあるわけで、電話の待ち時間やたらい回しによって、簡単にクレーマーになりやすい精神状態になっていると言えるでしょう。

 それがツイッターアクティブサポートにおいては、まだ利用者がぼやいている段階で企業の担当者が救いの手をさしのべる形になるため、助けられた利用者は逆に企業のサポートに感動することが多いようです。

 こういった利用者のぼやきに、組織的に対応するというのは普通は顧客に盗聴器でもつけていない限り不可能。ツイッターは利用者が自らそのぼやきを可視化してくれているため、利用者のぼやきに企業が積極的にサポートするという「アクティブサポート」が可能になっているわけです。

 そういう意味では、アクティブサポートは利用者が自ら本音を可視化してくれるツイッターのようなサービスでなければ不可能なわけで、企業にとって顧客との関係を強化するための新しい可能性と言うことができるでしょう。

 昨年は、テレビCMを流す代わりにその予算でツイッター上サポートの24時間体制を組んでしまった米ベストバイの「Twelpfoce」という仕組みが、カンヌ国際広告祭チタニウム部門でグランプリを受賞して非常に話題になりました。

 なるほど。売り上げをあげるのではなく顧客の満足度を上げる対策としてツイッターは有効のようです。いいことですが、ツイッター上でどんどん企業から話しかけられたらちょっと違和感があるというか、だんだんみんなが「見られてる」ということを意識し始めて、今とは違った雰囲気になっていくかもしれないですね。