ユーザー6億人、超巨大ネットが壊してきた「常識」

ユーザー6億人、超巨大ネットが壊してきた「常識」

 「現実のユーザー同士の交流を助けるプラットフォーム」というフェイスブックの本質的な性格はこの時にすでに確立していた。またフェイスブックが生まれたのが「次世代を担うのは自分たちだ」という意識を持った学生揃いのハーバード大学だったことも重要なポイントだった。学内紙「ハーバード・クリムゾン」は当時以下のように評している。

 「ハーバードの学生がザ・フェイスブックを利用してオンライン上で自分の人格をつくり上げる作業にこれほどまでに魅了されるのは、少しも不思議ではない。われわれは高校時代にハーバードへの入学に有利になるような実績を積むために多大な時間を使ってきた。(ザ・フェイスブック)の本質は、『自分はいかに重要な人物であるか』を世界に向かって訴えかけるためのパフォーマンスの舞台である。ひと言でいえば、それはハーバードの学生が最も得意とするところだ」

 ザ・フェイスブックは瞬時にハーバード大学を席巻し、燎原の火のように他の大学にも広がっていく。マークとその仲間が巧みな戦術でプリンストン、コロンビア、イエール、スタンフォードと矢継ぎ早にエリート大学を制覇していく過程は「信長の野望」的におもしろい。数人の学生が遊び半分でスタートさせたサービスは春学期が終わるころには34大学、10万人のユーザーを獲得していた。

 
 映画「ソーシャル・ネットワーク」観ました。ザッカーバーグと彼を取り巻く人々の勢いのようなものが伝わってきたような気がします。
 最初は大学のコミュニティサイトから始まったということで、やっぱりハーバードの雰囲気のようなものが彼の作ったきっかけを見逃さなかったというところが大事なのかもなと思います。