日本企業にあるチームの80%以上が機能していない
最も重要なキーワードは「チームの成長プロセス」です。
成長プロセスとは「形成期」「混乱期」「標準期」「達成期」の4つの段階を指します。これらを段階的に進めていくことが「チーム成長」です。そして、チームシナジーは第2段階の混乱期を越えることで初めて生まれます。ですから、チームシナジーを生み出すこととチーム成長は密接に関わっています。
これまでのマネジメントにおいて最も欠落していた概念が、この「チーム成長」です。日本企業の人事で主に行われていることは、人材の成長、能力開発を目的とした「人材開発」です。これは当たり前のようにほとんどの企業で取り組まれています。
では、チーム成長のための「組織開発」はどうでしょうか
日本企業において組織開発を常識とし、組織開発に投資をしている企業は希少です。これは組織、チームが成長するものであるという認識が希薄であることことを物語っています。ですから、まずはチームの成長を中核とした組織開発に積極的に投資をしていくことが重要なのです。そして、その実現のためには、しっかりとチームビルディングを学び、実践的なチーム創りができる真のチームリーダーを養成することが急務です。
これらは、これまでのような一過性の研修で身につくものではなく、OFF-JTとOJTの連携のなかで、ある程度時間をかけて養成されるものです。
このようなお話をすると、「私はそのような教育を受けていないが立派にマネジメントしている」とおっしゃる方もいます。しかし、それは幻想ではないかと思うのです。
日本の組織環境はグローバル化によってではなく、多様化した世代が持つ価値観によって混沌となっています。ですから、これまで常識的に実践されてきたマネジメントでは、現在の組織が再生することはないのです。そのことに気づかないリーダーが多すぎるのです。
そして、その混沌状態から脱却し、多様性を新たな力へと転換させる方法がチームビルディングという手法なのです。
なるほどね。確かに良いチームには成長するための時間が必要な気がします。