産業スパイ摘発強化、機密非開示裁判へ法改正

産業スパイ摘発強化、機密非開示裁判へ法改正

 刑事裁判は公開が原則だが、機密情報を開示せずに審理できる特例を設ける。産業スパイ行為は、最近も仏ルノーの幹部が日産自動車と共同開発した電気自動車の情報を社外へ漏らしたとされるなど、機密情報のIT(情報技術)化でデータの複製が容易になったことなどを背景に増加しているとみられる。法改正は被害企業の泣き寝入りを防ぎ、告発件数の増加につなげる狙いがある。

 企業の顧客名簿や製造ノウハウなどを譲り渡す産業スパイ行為は、2003年に不正競争防止法の改正で営業秘密侵害罪を創設し、日本でも摘発が強化された。06年には罰則を強化し、最長で懲役10年、罰金は最大1000万円に引き上げられた。09年の改正では、スパイ行為者が不正取得したデータを自ら使う場合だけでなく、データを不正にディスクなどにコピーするだけで処罰できるようになった。