初夢! 環境未来都市沖縄

初夢! 環境未来都市沖縄

 一昨年来、沖縄県を観光と環境の県に衣替えするプロジェクトの企画をお手伝いしてきた。これは沖縄の振興策なのだが、それだけではない。環境ビジネスの国際競争の中で、日本が負けないための国家戦略の一つだろうと思う。それも、かなり成功確率の高いものだ。

 なぜ沖縄なのかは次の理由からだ。

1.島によって構成されている県なので、自己完結性が高く、設計や成果(電気自動車の運用やスマートシティーの経営)の見える化が確実にできる。

2.産業部門のエネルギー消費は15%程度で全国平均の3分の1しかない。産業競争力を損なうことなくCO2排出量を削減することが可能である。

3.沖縄の発電におけるCO2排出原単位は日本平均の約3倍である。従って、再生可能エネルギー発電などを導入することで得られる効果が大きい。

4.毎年650万人の観光客を受け入れる観光県であるので、観光客を通して電気自動車と環境対応社会を広めていくことができる。

5.大小さまざまな島によって構成されており、人口数千人規模、数万人規模、100万人規模の地域がそれぞれ独立している。このため、新しいエネルギー社会モデル、経営モデルを、他地域に比べて短い時間で実現できる可能性が高い。そして、その新技術を海外へ輸出することができる。

6.沖縄県の経済界と行政の一体的な活動の質は高い。企画・設計・プロデュース・経営を一体的かつ健全に行うことができる。本土の経済界、大学などの知識界はこれを支援すればよい。

 ただし、人口130万人、面積1200平方キロの沖縄全体で、いきなり環境未来都市プロジェクトを始めるのはあまり現実的ではない。逆に、人口数千人規模ではインパクトが小さすぎる。人口5万人前後の石垣島または宮古島が、ちょうどいい規模なのだ。

 必要な資金は5年間で1000億円くらいになるだろうが、現在の高い発電単価を勘案すると、経済的にも見合うにちがいない。いちばんの当事者である沖縄電力が、大きな世の中の変化をビジネスチャンスにすることができるかどうかが、成否のカギを握っているだろう。

 
 そんなプロジェクトがあったとは……。