東北弁シェークスピア劇、5年ぶり新作

東北弁シェークスピア劇、5年ぶり新作

 劇団を主宰する下館和巳・東北学院大教授(55)は英国留学中、役者が出身地の方言を使ったシェークスピア演劇に接し、「方言だからこそ生き生きとした感情表現ができる」と考えた。

 例えば、劇中でオセロが妻を殺すことを決めた時、1人で繰り返してつぶやく有名なセリフ「このためなんだ……」は、「んだがらだ……」となる。

 93年に同劇団を旗揚げし、これまで7作品を上演し、新作の発表は「破無礼」(ハムレット)以来、約5年ぶり。その上「オセロは愛の悲劇の最高傑作。もろく崩れやすい愛の本質をしっかりと描きたかった」と構想にも時間がかかった。

 東京でもだいぶ前から野村萬斎さんが狂言シェイクスピアのコラボをやっていますよね。シェイクスピアは当時、自分の演劇の脚本の管理にかなり無頓着だったらしく、当時もかなり原作とは異なったバージョンが出回っていたようです。

 今、そのことは表現者たちの創作意欲を刺激し、彼らの沢山の面白い演劇がシェイクスピアの名をそれらとともに高めています。