【家電】製品価格の下落が続く サービスで稼ぐ仕組みの構築が急務

【家電】製品価格の下落が続く サービスで稼ぐ仕組みの構築が急務

 この点で先頭を走るのがソニー。欧米を皮切りにネットでコンテンツを楽しめるサービス「キュリオシティ」を始めた。東芝サムスン電子も同様のコンセプトのサービスを開始している。

 各社がネットサービスへと急速に舵を切るのは、モノ作りの構造が大きな転換点に差しかかったためだ。その象徴的な出来事がソニーと米グーグルの提携だ。ソニーは2009年11月、グーグルと共同開発した戦略製品「ソニーインターネットテレビ」を米国で発売した。ソニーインターネットテレビで採用されているのはグーグルが開発したOS(基本ソフト)「アンドロイド」だ。

 家電メーカーはこれまで画面表示の精細さなど、ハード面での差異化に注力してきた。だが品質が向上した液晶パネルにアンドロイドのようなOSを組み合わせれば、十分な資金力や人材を持たないベンチャー企業でも高性能の製品を開発できるようになる。

 デジタル時代の到来でモノ作りの手法が根底から変化しつつある中でハードによる差異化がしにくくなる。家電各社の今後は、ネットを使ったサービスをテコにいかに利益を生み出す仕組みを作れるかにかかる。

 ソフトとハードの壁がなくなっていく流れです……。