ウィキリークスの打撃、アメリカは日本を見捨てる余裕さえもない!

ウィキリークスの打撃、アメリカは日本を見捨てる余裕さえもない!

 まず、アメリカはそんなことに構っていられないくらい、自国の外交に行き詰まり感を持っている。次に、同盟国ネットワークがあって、はじめてアメリカはアメリカ足り得るのだ。自らその重要な基盤を絶つようなことをするわけがない。ましてや、その中で最も価値観も経済的利益も共有している日本を見放すことがあるわけがない。

 アメリカ外交の行き詰まりについては、オバマだけの責任ではないと思うが、打つ手がないアフガン、パキスタン、イランがいい例だ。加えて、低迷する自国経済、ギリシャアイルランドと来て、EU欧州連合)のGDP(国民総生産)で約1割を占めるスペインが危ないと言われている。

 オバマ政権の優先課題は、国内経済、アフガン情勢、イラン、欧州経済、そして次が今回の北朝鮮情勢という感じだろう。北朝鮮情勢も安全保障上の問題というより、ミサイルが飛んでくるわけでもない東海岸では、直接の脅威になりえない。このため、「欧州経済も自国経済もいいニュースがない中で、世界経済で唯一好調なアジア経済に水を差さないでくれよ」と経済的インパクトとして大きく取り上げていたくらいだ。

 米軍基地問題で、民主党政権の対応が一貫性を欠くことは日本人として誠に情けない。だが、ポピュリズムを煽りながら政権に就いたものの、公約を果たせていないのはオバマ政権も一緒である。こうした状況で、オバマ政権が日本政府だけを苦々しく思っているとは考えにくい。そもそも、アメリカ国民は日本の米軍基地問題などほとんど誰も知らないし、その問題をこちらが取り上げても「公約を果たせない政権は、アメリカのほうだよ」と自虐的な返事が返ってくる。

 「相手の国が今どんな気持ちなのか」を推し量るのは重要ですよね。