ソニー:タブレットより専用端末の方が書籍は5倍売れる 野口不二夫・米ソニー副社長

ソニー:タブレットより専用端末の方が書籍は5倍売れる 野口不二夫・米ソニー副社長

 「電子書籍は(活版印刷を発明した)グーテンベルク以来の大きな変化。大きなポテンシャルを持つ一方で、地域の文化と密接な結びつきがある。地域の文化を尊重しつつグローバルの対応を考えなければならない」と野口氏は述べ、ソニーにとって世界で14番目となった日本での電子書籍事業がもつ文化的な意義を強調した。より多くのコンテンツを集めるため「フォーマットやDRM(著作権保護機能)、アライアンスなどでオープンな戦略を心がけている。本好きの人たちの期待に応えられるビジネスにしていく」とした。

 本が電子化される抵抗感から「紙のビジネスがなくなるのではないか」とよく聞かれるという。また、「(タブレット型の汎用端末ではなく)書籍専用端末は必要か」との質問も受けるが、野口氏は会見でこうした懸念を全面否定した。「電子書籍によって新しい価値が付加され、書籍市場全体が大きくなる。14年には市場の10%が電子書籍になるデータがある。コンテンツの売り上げ予測では、汎用端末向けより専用端末向けが5倍多い。汎用端末が出た後でも専用端末は売れており、今後、端末台数の割合は、汎用端末2対専用端末1の割合になる」と言う。