厳選の時代! でも、あいまいな“何か”が就活や会社人生を左右する不条理

厳選の時代! でも、あいまいな“何か”が就活や会社人生を左右する不条理

 ちっとも論理的な言い方ではないが、「この人が欲しい!」と、相手の心を揺さぶる何かを身につけなくてはならないだろう。

 時にそれは、「強み」と言われたり、「個性」と表現されることもある。要するに評価する側が準備も想定も、はたまた考えたこともなかった、「いいね!」と無条件に心が揺さぶられるもの。そんな「強み」を持っている人間を目指すのだ。

 それは、天性のものである場合はまれで、多くの場合は長い時間と労力をかけて、本人が懸命に育んできたものである。

 自分に課せられたニーズを把握し、自分がいったいどういう人間で、何を得意としているのか? その両者のかかわりを見極める中で、自分で磨いていく“強み”。

 学生の場合は、その強みを自己分析シートなるもので把握することを勧められるケースがあるようだが、実際には、その強みは、自分が社会人となって仕事をし、仕事でつながった人間関係の中で、見いだされていくものである。

 他人からの、「キミのいいところは〇×ってとこだよね」などといった褒め言葉がその強みを発見するきっかけになることも多い。

 そして、一度「これだ! これを自分の強みとして磨いていこう」と決めたなら、後はそれまでニーズ把握のために外に向けていたベクトルを自分だけに向け、誰が何と言おうとも、世間がどう見ようとも、「これを自分は極める」という覚悟を貫くことが求められる。

 米国の心理学者のキャロル・D・リフは、「自律性(autonomy)」と呼ばれる概念で、この状態を説明した。

 自律性は、「自分の行動や考え方を自己決定できているという感覚」で、自分を信じることで、目の前にあってできることを一つひとつ進め、自分の強みを進化させる動機付け要因になると考えられている。

 「ちっとも論理的な言い方」ができないものを定型句に頼らずに語ろうとするこの記事は好きです。言っている内容も共感します。「強み」はそう簡単にわかるものでも、身に付くものでもない気がします。