村上龍氏 新作「歌うクジラ」出版

村上龍氏 新作「歌うクジラ」出版

  「不死遺伝子を全人類に与えると地球がパンクすると考えたのが始まり。少子化で移民が増え、内乱が起こって棲み分けが進むと想定した」と村上氏は話す。「今の日本は異質なものへの寛容さを失っている。経済が悪いので内向きになり、異物を排除したがるが、そういう社会はすごく弱い」。極端に高齢化した最上層、情報を遮断され、棲み分けへの怒りを忘れた中下層。主人公が見る地獄絵図は、格差社会のなれの果てだ。

 村上龍さんかっこいい。おそろしいリアリストっぷりです。人間自分たちにとって都合の悪いことは無意識に考えないようにするものだけど、そこを現実的に冷徹に考えることはとても重要。