新教育の森:子どもの暴力 学校指導に限界 件数過去最多…警察や児童相談所にSOS

新教育の森:子どもの暴力 学校指導に限界 件数過去最多…警察や児童相談所にSOS

 もっとも、子どもの暴力は今に始まったことではない。70年代から80年代初頭には日本中で校内暴力が吹き荒れた。だが、河上教授は「当時はPTAや地域に何とかしようという雰囲気があったが、今の学校は地域の支えもなく孤立無援。親も以前のように学校に重きを置かず、『先生の言うことを聞きなさい』と家庭で教育もしない。その結果、教師が単独で子どもと向き合わざるを得なくなった」と分析する。

 鳴門教育大大学院の阪根准教授は、子どもの暴力の背景に社会的格差拡大を挙げ、「リストラや能力主義の拡大などで格差が広がり、親も社会から置いてきぼりになるような状況で家庭もすさんでいる。子どもが荒れるのも仕方ない」と指摘する。