ネット銀行10年、伸び悩む理由

ネット銀行10年、伸び悩む理由

 草創期はパソコンや携帯電話でお金をやりとりすることに対し、安全性への懸念も根強く、「既存の銀行に預金口座を持つ人はリスクをとってまでネット銀行に資金を移す理由がなかった」と大手銀行の幹部は指摘する。さらに、2000年代後半になると、既存の銀行もネット業務を強化。限られたパイの奪い合いが激しくなった。

 1990年代後半から続く日本の超低金利もネット専業銀行にとっては逆風だ。ネット銀行を利用する人が注目するのは金利、手数料と利便性。低コストを武器に金利で既存の銀行に差をつけたいところだが、市場金利が調停水準の現状では限界があるという。