緊急時のためのライト・スタッフ

 地震ですが、僕の家は幸いたいした被害もなく落ち着いています。地震発生当時は五反田におり、渋谷まで歩いた後に深夜動き出した電車で帰ることができました。東北に甚大な被害が出ていることが本当に心配ですし、残念です……。
 多くの人々がテレビとソーシャルメディアの間を行ったり来たりして、何かしら感じることがあったのではないでしょうか。一つの目的のために、責任感とともに独断でテレビの番組をソーシャルネットワークに流すことができる人もいました。一方で、ソーシャルメディアでは、本当かどうかよくわからない情報を広めている人もいました。「この非常時に余計なことを流すな」という感じの圧迫した空気もネットにはありました。
 別に悪意でやっているのではなく、「自分も何かできることをしなければ」という焦りから情報を広めたり、他人を諌めたりするケースも多かったのではないでしょうか。ネット上では、「何も発言しない」のは存在しないのと同じようなものなので、余計に何かしなければという意識が強くなったのでは。

 東京の僕自身は、水をためたり食料を買ったり節電したりする以外には特に何もせず、テレビとソーシャルメディアを交互に見て過ごしていました。今はテレビも消しています。中途半端にネット上の情報を広めたりするのには抵抗を感じました。こんなに身近に災害が起こったのは初めてで、そういうことを責任もってするための知識や技術は何一つ持ち合わせていないなぁと思ったからです。なさけない。
 しかし、緊急時の個人に求められる「ライト・スタッフ(正しい資質)」として、「冷静にじっと何もしないで自分の身を守りながら待機する」ということももしかしたら重要なのかもしれないとも思っています。もちろん、最低限の資質ですが。

 とにかく東北での被害者の方が一人でも多く助かってくれることと、東日本全体の早期復興を願います。