トーラスXLロケット、また打ち上げ失敗

トーラスXLロケット、また打ち上げ失敗

 米航空宇宙局(NASA)とオービタル・サイエンシズ社(Orbital Sciences Corporation)はアメリカ太平洋標準時間3月4日2時9分(日本時間19時9分)、地球観測衛星「グローリー(Glory)」を載せたトーラスXLロケット(Taurus XL)を、バンデンバーグ空軍基地から打ち上げたが、ペイロードフェアリングが分離されず、打ち上げに失敗した。

打ち上げられたロケットは順調に飛行し、3段目の燃焼まで無事終えたが、ペイロードフェアリングを分離できず、「グローリー」を所定の軌道に投入できなかった。

NASAとオービタル・サイエンシズ社は2年前、地球観測衛星「OCO(Orbiting Carbon Observatory)」を載せたトーラスXLロケットの打ち上げで、同じ原因で失敗しており、今回は新しいペイロードフェアリング及び分離システムを導入していた。

「我々はフェアリングが外れ、重量が減ると思っていましたが、重さが減らず、ロケットと衛星はおそらく南太平洋に落下したと思います」

今回の打ち上げについて、NASAのローンチ・ディレクターであるオマル・バエズ(Omar Baez)氏はこのように述べた。

ペイロードフェアリングが分離されなかった原因についてはまだ特定されておらず、NASAとオービタル・サイエンシズ社は今後、失敗の原因を特定する。

グローリーは重さ約530kgの地球観測衛星。高度約700kmの軌道上から2つのセンサーを用いて、太陽エネルギーと大気中のエアロゾルが地球の気候にどのような影響を与えるかなどを観測する予定だった。