「考える劇場」創りたい 宮本亜門が抱負
「金閣寺」について宮本は「生と死を考え抜いた、三島さんらしい小説。戦後の日本社会、社会と個人の関係、閉塞(へいそく)感を抱く今の若者にも通じる悩みなど、いろいろなことを考えることができる作品だと思う」と語る。
上演台本は、カナダ出身のセルジュ・ラモットに脚色を依頼し、それを踏まえて若手脚本家、伊藤ちひろが書き上げ、さらにけいこ場で手を加えた(常田景子翻訳)。
「日本の外からの目、若い世代の感性など、違う視点を加えることができた。原作は、あまりにも純度の高い、緻密(ちみつ)で濃厚な言葉で書かれており、特に主人公の内面の表現は難しかったが、出演者の生々しい肉体など言葉以外の要素も重視して舞台化しました」
出演は、金閣寺に火を放つ主人公の学僧・溝口に森田剛。正反対のタイプの友人2人を高岡蒼甫と大東俊介が演じる。中越典子、高橋長英、岡本麗、花王おさむ、山川冬樹、瑳川哲朗、舞踏の「大駱駝艦」のメンバーらが共演する。
横浜は、数多くの劇場がひしめく東京に極めて近い。そこにできた新劇場の芸術監督として「ここでしか見られない、特色のあるものを提示する」と宮本は意気込む。
面白そう!