韓国、6.1%成長 2010年、半導体や車の輸出好調

韓国、6.1%成長 2010年、半導体や車の輸出好調

 韓国の2010年の実質国内総生産(GDP、速報値)の成長率は、前年比6.1%増だった。輸出と設備投資が好調で、同7.2%増だった02年以来の高い伸びとなった。

 韓国銀行(中央銀行)が26日発表した。10年の高い成長率について韓国銀行は「輸出が原動力になった一方、(金融危機の打撃などで)0.2%増にとどまった前年の反動が大きい」と説明している。

 過去最高額となった輸出は前年比14.1%増。ウォン安も生かして半導体や自動車など主力品の輸出が軒並み好調だった。輸出の増加による製造業の生産回復で、設備投資は前年の9.1%減から24.5%の大幅増に転換。民間消費は同4.1%増えた。

 統計上は急回復だが、10年も1兆円を超える営業利益を稼ぐ見通しのサムスン電子など一部輸出企業が「春」を享受する一方、中小企業や自営業者らへの波及は限定的。雇用情勢も若年層(15〜29歳)の失業率が8%程度で高止まりしている。

 一方、10年10〜12月期の実質GDPは、前期比0.5%増。年率換算では推定で同約2.2%増だった。8四半期連続のプラス成長だが、伸び率は3四半期続けて縮小。設備投資や建設投資がマイナスになった。

 欧米や中国経済の動向など輸出に不安要素が残るほか、食料品などの物価高が暮らしを圧迫し始めている。

 旧正月を控え、支度の買い物客でにぎわう時期だが、26日午後にソウルの市場を訪れた教員の女性(55)は、「給料は増えないのに野菜や魚が高くなって大変。旧正月の買い物も節約ですね」。ソウルの主婦は「キャベツが高い。今日は見送りました」と渋い表情だった。