コンビニ売上高、初の前年割れ 価格競争激化で客単価減

コンビニ売上高、初の前年割れ 価格競争激化で客単価減

 日本チェーンストア協会が24日に発表した2010年の全国のスーパーの売上高(62社)は前年比3.7%減の12兆3556億円だった。新店や閉店の影響をのぞいた既存店売上高は2.6%減で、消費税が3%から5%に上がった1997年から14年続けて前年を下回った。

 スーパーの長期低迷のおもな要因は、衣料品の不振だ。10年は猛暑でシャツなど夏向きの衣料品が売れた。それでも全体では前年の売り上げ水準に届かなかった。

 背景には、08年秋の金融危機後に強まった消費者の節約志向がある。大手スーパー幹部は「来店客数は落ちていないが、客1人あたりの購入金額(客単価)が上向かない」と明かす。

 協会によると、牛肉より安価な鶏肉を選んだり、高価な魚を控えたりする傾向があったという。衣料品も秋以降に失速。低価格のイメージが強い「ユニクロ」などの専門店に消費者が流れたとみている。

 消費低迷に悩むのは、スーパーだけではない。日本フランチャイズチェーン協会によると、10年の全国のコンビニの既存店売上高(10社)も前年比0.8%減の7兆3947億円(速報値)。協会は09年に統計の方法を変更しており、比較できる統計がある05年以降で初の前年割れとなった。

 10年は猛暑で飲み物やアイスクリームが伸び、7月の既存店売上高は14カ月ぶりに前年同月を上回った。9月も、たばこ増税前の駆け込み購入があり、前年同月より1割以上伸びた。

 これらの追い風にもかかわらず年間で前年割れしたのは、客単価が伸び悩んだからだ。既存店の客数はほぼ前年並みだったが、客単価の平均は0.7%減の570.6円。各社とも高級感を強調したパンや弁当を投入して客単価の向上をねらったが、「牛丼など外食チェーンの安売り競争に巻き込まれた」(大手コンビニ首脳)という。

 コンビニは「安いモノを売っているところ」というイメージが固定されちゃっているのかも。