スーダン南部独立へ 20年の内戦経て9日、住民投票

スーダン南部独立へ 20年の内戦経て9日、住民投票

 アフリカ最大の国土を持つスーダンで、南部の分離・独立の是非を問う住民投票が9日から始まる。南北内戦に苦しんだ南部の人々が独立を選ぶのは確実な情勢だ。投票を目前に、各国の要人がかけつけ、街は早くも祝賀ムードに包まれている。

 住民投票は、2005年まで約20年続いた内戦の包括和平合意に基づき実施される。投票資格があるのは南部出身者で、南部のほか北部の一部でも投票が行われる。約390万人が有権者登録を済ませた。投票は1週間続き、2月15日までに結果が確定する予定だ。

 首都ハルツームには、南部独立の動きを強く支援してきた米国のジョン・ケリー上院議員が訪問中。クリントン国務長官スーダン入りの可能性も報じられている。

 南部の最大都市ジュバには、スーダン西部ダルフール紛争に関心を寄せる米国の俳優ジョージ・クルーニーさんをはじめ、多くの著名人が連日駆けつけ、ホテルは満室状態が続く。

 7日夜、ジュバでは住民投票を記念したコンサートが開かれ、内戦時代に子ども兵だった南部出身のラップ歌手、エマニュエル・ジャルさんらが独立ムードを盛り上げた。

 ただ、独立が決まっても、南北境界付近の油田地帯の帰属などをめぐって、北部に拠点を置く中央政府との境界画定交渉は難航が予想され、内戦再燃の可能性も指摘されている。バシル大統領は4日、ジュバを訪れ、「個人的には残念だが、独立を選んでも我々は祝福する」と語った。