米ジニオ:電子雑誌の配信サービス開始 ソニーが支援

米ジニオ:電子雑誌の配信サービス開始 ソニーが支援

 電子雑誌の配信サービスを世界で展開している米ジニオは16日、日本で雑誌の配信サービスを開始したと発表した。日本の雑誌は、年内は「DIME」(320円、小学館)、「鉄道ひとり旅ふたり旅」(880円、エイ出版社)、「NHKラジオ英会話」(330円、NHK出版)など国内15社52誌からスタートし、順次増やしていく。毎日新聞社は「サンデー毎日」(300円)と「週刊エコノミスト」(600円)を販売する。

 米ジニオは01年設立のベンチャー企業で、本社はサンフランシスコにある。ロンドンやパリ、バロセロナ、台北に拠点を置き、「National Geographic」(ナショナル ジオグラフィック)や「ELLE」(エル)など著名雑誌を含む23カ国・地域の3000タイトル、約7万5000冊を取り扱っている。日本ではソニーと業務提携して準備を進め、日本の雑誌がそろった12月に正式スタートとなった。

 ジニオの配信サービスの特徴はマルチデバイスのほか、気に入ったページからミニブログの「ツイッター」や会員制交流サイト「フェースブック」にコメントを投稿して仲間と共有するソーシャル機能がある。

 ソニー電子書籍事業として専用端末「リーダー」を10日から販売しているが、電子インクを採用した白黒画面で書籍向けなのに対し、ジニオはカラー写真を多用するスポーツ誌やファッション誌などグラフィカルな雑誌を扱っている。ソニー製品では現在、VAIOブランドのPCが対応するのみだが、ソニーの西沢繁彦・ジニオ日本事業開発代表は「ジニオは端末を限定せず、マルチデバイスで世界の雑誌を提供していく」と説明した。出版社には、「動画を追加するなどの編集ツールを提供し、電子ならではの日本の雑誌コンテンツを世界で販売できるチャンスがある」と訴えている。