リアルな切腹 生命の重み 時代劇映画、死の量産に一石

リアルな切腹 生命の重み 時代劇映画、死の量産に一石

 切腹描写にリアリズムを持ち込むことで、生命を失うことのグロテスクな側面をえぐり出す。生命のはかなさを感覚的に知ることで、グロテスクを甘んじて受ける切腹者の覚悟が逆説的に気高く見えてくる。

 戦中派の佐藤監督は言う。「『なぜ人を殺してはいけないの』と問う子供がいることに危機を覚える。いかに死が軽んじられているか」

 リアルな切腹描写の増加は、痛みの伴わない死を量産してきた映画界の一種のケジメなのだろうか。

 興味深いです。少し前は「おくりびと」もそうだったけど、「死の美学化」の映画が多かったので。