宝島社が漫画賞主催、“大型新人”発掘に乗り出す理由とは?

宝島社が漫画賞主催、“大型新人”発掘に乗り出す理由とは?

  同社には漫画の定期刊行物がないため、受賞者の今後の活動も現状では単行本の発売に限られる。「掲載媒体ありきのコンテストでは、媒体の方向性によって選ぶことができない作品が多い」(同)。たとえ少年漫画という同じ枠組みの中でも、ファンタジー系やバトル系などの傾向によって作風や作家の顔ぶれも変わる。掲載媒体がないことで決められた枠組みにとらわれず、他社が見逃したジャンルレスな作品を多く受け入れようという狙いだ。

 結果、同賞ではさまざまな作品が集まったという。「応募要項に『プロ・アマ問わず』とあるように、有名漫画家のアシスタントや過去にいくつか受賞歴がある実力派の作品も多く見られた」と井野氏は話す。しかし、今回の受賞者3人はこれが初受賞。『ハンパないすでぃ』の行村行成さんについては、同作が「初めて描いた漫画」だったという。「不思議なことに、今回の受賞者については3人とも“ほぼ新人”。どこの色にも染まっていない本を出せたと思っている」

 面白いマンガをまだまだ発見してほしい!