発信箱:若者たちがいない!=小松健一(北米総局)

発信箱:若者たちがいない!=小松健一(北米総局)

 「おらが村の代表」と呼べるような候補者がいないと、さほど熱も入らない。有権者登録をしない人も多く、近年の投票率は20%に届かない。ただ今回、内訳を見ると、民主党予備選は8.3%という歴史的低投票率共和党予備選はティーパーティー効果で40年ぶりに10%台に上がった。

 「若者がごっそり選挙から抜けた」と言うのは、明治大教授(異文化コミュニケーション論)の海野素央(うんのもとお)さん(50)。08年大統領選で、バージニア州オバマ選挙対策事務所に詰め、自ら1200軒以上を戸別訪問した。現在も同州の民主党陣営の選挙を手伝い、有権者動向を研究している。

 海野さんによると、2年前は18〜24歳の若者が選挙運動を仕切り、中高年に「変革を」とげきを飛ばした。大学を休学して参加する学生も多かった。今はそんな風景は見られない。高失業率の若年層は自分の職探しに必死で選挙運動に加わる余裕がないという。民主党は11月の本選に向けて「2年前の選挙に参加してくれてありがとう。もう一度、一緒にやらないか」と若者たちに呼びかけている。