東大26位、京大57位 英誌の世界大学ランキング

東大26位、京大57位 英誌の世界大学ランキング

 昨年は200位以内に日本から11大学が入ったが今回は5大学だった。

 こういうものにあまり惑わされないほうが、それこそ日本の大学のためのような気もします。

むかし『ひょっこりひょうたん島』で、悪人を乗せて降下するエレベーターを止めようとして、ドンガバチョがエレベーターの階数表示の「針」を止めるという大技を繰り出したことがあった。
「大学ランキング」を上げるために何かをするというのは、きわめてドンガバチョ的なふるまいである。
問題がエレベーターの空間的位置取りを上げることであるなら、方法は無数にあるからだ。
地下室に爆薬を仕込んで吹き飛ばすという手もあるし、巨人を呼んできて摘み上げてもらうという手もあるし、地軸を逆転させるという手もある。
そういうことである。
「イノベーティヴである」というのは、ある目的を遂行するためにどれだけ多くの、できるだけ想像を絶する手立てを思いつくかという能力のことである。
アカデミアはイノベーティヴであることによってのみ存在価値を持つ。
日本の大学が国際的なランキングで低下しているのは動かしがたい事実である。
けれども日本の大学の国際的な競争力を下げている大きな原因の一つは、「競争力が上がったことを数値的に表示しろ」ということしか言えない政治家と教育行政官とメディアの「ぜんぜんイノヴェーティヴでない発想」そのものなのである。
内田樹の研究室「ドンガバチョ的」)