NHKラジオにボーカロイド曲専門番組「エレうた!」

NHKラジオにボーカロイド曲専門番組「エレうた!」

 ボーカロイド(ボカロ)は旋律や歌詞を入力すると、人の声を元にした歌が合成される技術。2007年発売のソフト「初音ミク」で人気が爆発した。ニコニコ動画などのサイトには、ミクなどのキャラクターが歌うオリジナル曲がたくさん投稿されている。

 番組は、ネットで出回る曲のリクエストと、オリジナル曲の応募の二本立て。ネット曲の多くは著作権処理がされておらず、NHKは放送前に作曲者に連絡をとり許諾を得ている。応募曲は、番組ホームページで、音楽につけられた画像と一緒に見られる。

 「一つの音楽ジャンルとして確立された」。橋浦明彦プロデューサーは番組を始める理由を、そう話す。「通好みのエレクトロニカやトランスといった分野も、音声合成ソフトの萌(も)える歌によって親しみやすい曲になっている」

 今やボカロ曲は、コンピレーションCDがヒットしカラオケの人気ランキングにも顔を出す。3月の「エレうた」のプレ特番では、出演者が「初音ミク紅白歌合戦に」と盛り上がった。今年の大みそか、それは夢物語でないかもしれない。(宮本茂頼)

 独自の境地を築きつつあるNHK