伊藤忠、中国・広州のリニア地下鉄受注 新たに192両

伊藤忠、中国・広州のリニア地下鉄受注 新たに192両

  伊藤忠商事は中国最大手の鉄道車両メーカー、中国南車の傘下企業と組み、中国・広州のリニア地下鉄192両を総額約170億円で受注した。これで伊藤忠は広州の地下鉄車両の納入実績が688両、計700億円規模に達した。

 リニア地下鉄は、鉄車輪がついた車両をリニアモーターで動かす仕組み。急勾配に強く、小さな車体を使うためトンネルの断面を小さくして工費を削減できるとされる。伊藤忠三菱電機製のモーターなどを現地に輸出し、中国南車系の工場で組み立てる。

 伊藤忠は2004年に300両、10年に196両を受注している。人口約1千万人の広州市の地下鉄走行距離は約300キロで東京の地下鉄とほぼ同じだが、20年までに倍の規模にのびる計画だ。

 さらに広州市をはじめとする中国華南地区では、マカオまでを含む広域で都市交通網の整備が進められる予定。走行距離の総延長は2千キロに達する。伊藤忠はリニア地下鉄など都市交通のプロジェクト参画や機器輸出を今後も強化していく方針だ。

 新興国では、都市交通の需要が急増している。政府は成長戦略の柱にインフラ輸出を据えており、伊藤忠新興国戦略は注目を集めそうだ。