中国主席、人権問題かわす…経済カードを駆使

中国主席、人権問題かわす…経済カードを駆使

 胡氏は同日のG20演説で「我々は、各国が発展の道や政策を選択する自主権を持つことを理解し、尊重しなければならない」と表明。その上で、「中国が選ぶ発展の道」が世界の経済成長に貢献しているとの考えを示した。

 胡氏は今月、G20に先立ち、サルコジ仏大統領、キャメロン英首相と相次いで会談し、大型商談をまとめた。2008年のチベット暴動で中国の少数民族政策を非難するなど人権批判の先頭に立った英仏は、今回、中国との協力関係発展に期待を表明し、表立っての人権批判は控えた。

 一方、景気回復に向けて中国の協力を必要とする米国のオバマ大統領も、胡主席との会談では最後で人権問題を切り出した。米国は、膨張を続ける中国を抑えようとしているが、歯切れの悪さは否めない。

 12月の平和賞授賞式で劉氏夫妻の出席が絶望視されていることに対しても、欧米諸国は、有効な策を打ち出せないでいる。北京の民主活動家は、「共産党政権が『経済カード』を駆使し、敏感な問題で相手国を黙らせる外交手法はエスカレートするだろう」と懸念している。