「不気味の谷」に漂う心 ロボット演劇2作初演

「不気味の谷」に漂う心 ロボット演劇2作初演

 「不気味の谷」という言葉がある。ロボットを人間に似せていくと、人間と見分けがつかなくなる手前でいったん強い嫌悪感を生じさせる現象のことだ。動いている「ジェミノイドF」は谷を挟んで人間側、終幕時は谷底、「wakamaru」は谷の反対側にいたのかもしれない。

 石黒教授は著書『ロボットとは何か』で「人は互いに心を持っていると信じているだけ」と記している。見かけ上のわずかの差で「人間らしさ」を感じなくなる。一方で外見は機械でも、動作や言葉の積み重ねから「人間らしさ」を感じてしまう。ロボット演劇があらわにしたのは、そんな人間の心のあやふやさだったのではないか。

 平田オリザさん。これも面白そう。世の中面白いことがいっぱいです。