更生見守るオンエア 立川拘置所で所内ラジオ開始

更生見守るオンエア 立川拘置所で所内ラジオ開始

 内放送は今年2月から検討を始めた。富山刑務所(富山市)や府中刑務所(東京都府中市)などの先進事例を参考にしながら、地元のコミュニティーFM局「FMたちかわ」に依頼。ボランティアで引き受けてもらったため、運営コストはほとんどかかっていないという。

 同局のチーフアナウンサー三谷啓子さんがDJを務め、月1回、事前に収録した60分を放送する。受刑者も未決勾留中の人も居室のスピーカーで聞ける。

 リクエストできるのは受刑者に限られていて、ラジオネームと200字以内のメッセージ、曲名を書く。8月26日の第1回のテーマは「夏の思い出」。20人が応募し、11人分が採用された。

 「夏と言えばやはり海。砂浜で太陽を浴びながら飲むビールは最高!」

 「子どものころ夏は祖母の家で過ごしました。畑で採れたトウモロコシがいっぱい入っているカレーがおいしくておいしくて」

 受刑者のメッセージには、家族と行った海や、夏まつりで娘が挑戦した金魚すくいの思い出をつづったものもあった。対話するように三谷さんが上品な低めの声でコメントを織り交ぜる。「昭和記念公園の花火は良かったですよ」「トウモロコシは採った瞬間にすぐ食べるのがおいしいですよね。おばあちゃんはまだお元気でしょうか」

 ラジオの温かさはほんとに独特なものがあります。